3ノ14
TEL080-5720-5098

 東京の下町(墨田区)で育った。だからなのか、旭川で一番古い商店街というここ銀座商店街に来ると、下町情緒に和まされてほっとする。昨年六月にオープンしたこの店も、見事に風景に溶け込んでいる。それもそのはず、店舗は築八十年近い元八百屋を改装した古民家なのだ。一階は食堂、二階がサウナ。なんだか、昔の銭湯をしのばせる。

 店主は、田中朗嗣さん(33)。まだ若いけれど、子どものころから大の銭湯、サウナ好き。自宅から通っていたサウナもある公衆浴場「八条プレジャー」など、市内の公衆浴場が次々に閉鎖される中で、何とか銭湯文化を守りたいと様々な活動に乗り出した。その中で、サウナ好きらと意気投合し、九年間勤めたビルメンテナンス会社を脱サラして店のオープンにこぎつけた。

 看板メニューは、下町の雰囲気に合わせた、おでん。はんぺん、しいたけ、玉子(百円)、大根、巾着、がんもどき(百五十円)、ロールキャベツ、つくね串(二百円)など、種は二十種類以上。北海道らしく、ジャガイモ、とうきび(百五十円)などもそろえた。薄味でとってもやさしい味だ。

 おでんの出汁を使った銀座カレー(五百円)、カレーうどん(五百五十円)もお勧め。「カレーに大根や牛スジなどをトッピングしたら、めちゃくちゃ旨いですよ」と田中さん。つまみも色々あり、ふろ上がりに一杯やったら堪らないだろうな。

 サウナは、一度に六人まで入れるそうで、酒樽を使った水風呂が自慢。料金は一時間千円。二千五百円払ってフリータイムにすると、営業時間中は入り放題で食堂と行き来できるそうだ。

 毎週水曜日と隔週日曜日は女性専用。「サウナは貸し切りに近いプライベート空間。気軽に寄ってください」と田中さん。

 不定休。営業時間は正午~午後九時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコメモ
 15丁目に果物を買いに行ったとき、気になっていたお店。サウナというので、横目で通り過ぎていた。でも、サウナに入らなくても食事ができて、それも美味しい、と聞いて行ってみた。

 メインはおでん。玉子、大根、白滝をまず頼む。これが思ったより(失礼)おいしかった。友だちは迷った末、肉うどん。「うわっ、美味しい!」と言いながら食べていた。もう一人はカレーライス。なかなかいい味で「家で作るのと違う」そうだ。

 次はサウナに入って、シメにいろいろ食べてみようかな。

2022年04月26日号掲載