永山3ノ19ノ3
TEL76―5629

 ジンギスカンを自宅の庭などでやる時、旭川ではひいきの精肉店から買ってくるという人がけっこう多い。この店の前身である前坂精肉店のジンギスカンも、六十六年にわたって市民に愛されてきた。でも、経営者が高齢で跡継ぎもおらず、昨年末に閉店。惜しむ声が強く、店で十八年前から働いてきた大橋陽子さん(50)が引き継ぐことになった。開店したのは三月で、店舗は旧前坂精肉店のすぐそばにある同店旧調理場を改装したそう。

 たれ付きラムジンギスカンは、その前坂さんの味を完全に引き継いだ。「甘めで、小さい子どもたちも喜ぶ味。醤油ベースで、生のリンゴを主体にニンニク、ショウガなどで味付けたシンプルなもの」と大橋さん。価格は、五百㌘千三百円、一㌔二千六百円(税込み)。

 味の紹介は、やはり自分で食べてみないと。取材のあと、モヤシとアスパラなどを買って、自宅食卓で焼き始めた。甘じょっぱいのかと想像していたが、全く違う。しょっぱさがなく、なんとも穏やかな美味しさなのだ。つまり、塩鮭の甘塩が砂糖甘いわけではなく、塩が少なめというのを意味しているのと同じこと。僕とカミさん、そして隣家の奥さんの三人で食べたのだけれど、三人とも普段は百五十㌘も食べればいいところ。ところが、この日はあっという間に一㌔を平らげてしまった。

 店ではジンギスカンのほか、新メニューの豚ジンギスカン(五百㌘八百円)、味付きホルモン(四百㌘七百円)、牛サガリ(三百㌘千八百円)など焼肉各種もそろえている。ところで、庶民の味のジンギスカンだけれど、近年の中国によるニュージーランドなどからの爆買いに加え、ロシアのウクライナ侵攻を機にした輸送費の高騰などもあって、羊肉はとんでもなく値上がりしているそう。さらに値上がりしないことを願うばかり。休日は水曜日。営業時間は午前十時~午後六時(無くなり次第終了)。
(フリーライター・吉木俊司)

ケロコメモ
 ジンギスカンが大好き。これからの季節、週末に家の近所を散歩すると、あちこちから肉を焼くいい匂いがしてくる。

 私も、お気に入りの美味しい肉屋さんが何軒かある。そのうちの一軒が前坂精肉店だったが、去年閉店してしまった。

 この時は大騒ぎとなり、たくさん買って冷凍したという人もいる。うちの冷蔵庫はそんなに多く入らないので、最後にたくさん食べておしまい。

 それが、また食べられるというので大喜び。ラム肉ジンギスカンはもちろん、味付サガリと味付ホルモンもおいしいです。

2022年06月21日号掲載