1ノ20ノ555
TEL090-6217-6215

 丼ものって、安くて速いB級グルメというイメージ。でも、ここの丼ものは安いというだけでなく、どれも手間暇がかかって美味しいのだ。まず試しにいただいたのは、鶏首肉のせせり丼。なんと、注文を受けてから店の一角で炭火を使って焼いている。香ばしく、あっさりとした味は、特製の塩だれとの相性も抜群だ。

 このほか、普段(時々変わり種の丼も出るらしい)はこのほか、煮るのではない珍しい焼き牛丼、豚丼、旭川ご当地グルメのゲソ丼を用意している。ご飯は鷹栖町産のななつぼしか、ゆめぴりかで、味噌汁と自家製の漬物がついてすべて五百円。炭火で焼くなど手間暇をかけているので、注文してから十分ほどかかる。それでも、早くも人気店になっているというのは納得だ。

 オープンしたのは四月一日。店主(35)は、東京の有名寿司店で修業したものの、途中で挫折。いったんはサラリーマンになったが、人々を幸せにする飲食に携わりたいという思いを断ち切れず、故郷で再出発した。店は、日中は丼屋、夜はちょい飲み酒場。丼ものに負けず、酒場メニューの充実度、安さも驚きもの。

 ウドのキンピラ(百五十円)、ワラビの酢の物(二百円)、アスパラお浸し(百五十円)、とうもろこし天ぷら(三百八十円)、自家製の干しホッケの焼き物(四百八十円)など、すべて五百円以下の旬のつまみが三十種もそろう。この中から、豚串(三百円)をいただいたが、普通の三倍はある大きさで、焼き加減があまりにもおいしそう。写真撮影も忘れて、思わずぱくついてしまった(本当は豚肉四枚あるのだけれど、掲載写真はこのため三枚に…)。

 でも、この安さでやっていけるのだろうか。店主曰く「僕は最低限生きられたらいいので、もうけは考えず、ぎりぎりの線で攻めることにしています」。

 定休日は水曜日。営業時間は午前十一時三十分~午後二時三十分、午後六時~十時。(フリーライター・吉木俊司)

 

ケロコメモ

 手軽に食べられて、美味しい丼もの。家でも親子丼をよく作る。

 先日、丼・酒場というお店に行ってみた。全品500円。味噌汁に、おしんこもついていて、ボリュームもある。「安すぎない?」と思わず言ってしまった。すると、オーナーが「自分がぜいたくしなくて、暮らしていければいい」と。なんと謙虚な人だろう!
 

「焼き牛丼」をテイクアウトした。煮るのではなく焼いている。味付けが私好みでご飯に合い、お腹いっぱいになる。友人もすっかり気に入った。手抜きだけど、美味しいから仕方ない。

2022年06月14日号掲載