7ノ8・TEL26-0088

 開店以来、食堂兼居酒屋のようなこの店に通っている。そこが、このほどちょうど三周年を迎えた。コロナウイルスによる逆風、しかも旭川では馴染みのないフィリピン料理…。一人で切り盛りしてきた明るく、元気な店主レブレ・マリア(今回は親しみを込めて呼び捨てにしよう)(50)はすごい。僕は訪れるたび、異国の味を楽しませてもらいながら、マリアから元気をもらっている。

 マリアは、二十三年前にフィリピンから旭川にやってきた。そして日本人と結婚し、子育てしながら飲食店などで働いてきた。この店は「みんなにフィリピン料理の美味しさを知ってもらいたい」と開店した。

 フィリピン料理のメニューは、フィリピン風焼きそばのギサドンシット(八百円)、から揚げに似たアドブンマノクセット(九百五十円)、エビとニンニク、野菜などをココナッツミルクで煮たギナタングピポンセット(千円)など十種類ほど。フィリピン料理は、三百年近く植民地支配を受けていたスペインの影響が今でも色濃く、マリアの店の名前(マリアの台所)も実はスペイン語。東南アジア諸国のように香辛料を効かせたものは少なく、マイルドで日本人の舌にも合いそうな味わいが特色だ。

 このほど開かれた三周年記念パーティーでは、これらの料理のほかに豪快な子豚の丸焼きが出された。フィリピンではお祝いの席などに出されるそうで、これが実に柔らかくてジューシー。お代わりを連発してしまう美味しさだった。みんなで宴会をすれば、出してくれるかも。

 この店のもう一つの売りは、マリアが作る日本の家庭料理。とんかつや野菜炒めセット(各六百五十円)、ホッケフライや塩サバ焼定食(各七百五十円)などがそろう。フィリピン料理と同じく、どれもこれもボリュームがあり、たっぷり野菜を使うのがうれしい。僕がホッケフライを食べたときには、マリア特製の普通サイズのチーズケーキまでついていた。

 金、土曜日は、料理一品付き飲み放題(二千五百円)もやっていて、とってもお得。ぜひ、フィリピン料理の魅力とマリアの笑顔に出会って。不定休。営業時間は午前十一時~午後四時、午後六時~八時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコメモ
 フィリピン料理といっても、どんな料理なのか浮かんでこない。メニューを見て、説明してもらって、やっと注文する。悩んだ結果、頼んだものが前回と同じものだったりして…でも美味しい。

 口に合わないスパイスが入ってるかと思ったけど、そんなことはなく、ごはんにも合うし、大満足。ギナタングヒポンセットというのがお気に入り。エビもたくさん入っているし、野菜もものすごく入っていてヘルシー。ココナッツミルクが美味しさのポイントらしい。

 スープがまた美味しくて、自分では絶対に作れない味だ。次は違うものをと思っても、またこれを食べるんだろうな。

2022年07月12日号掲載