豊岡8ノ3ノ8、近代ハイツ1F
TEL050-8883-6120

 洋食シェフが作るパンって、いったいどんな味なのだろう。今年二月にオープンしたパン中心のテイクアウト専門店のオーナーシェフは、服部均さん(49)。約十年間在職したトーヨーホテルで、最後は洋食の調理長を務めた。「パン職人になったつもりはない。あくまでも料理人としてパンを作りたい」という。

 並んでいるパンは、うふるれロール(百三十円)、プチミルク食パン(二百八十円)、有機チョコレート&オレンジピール(二百六十円)など十種類ほど。それらの中から、お勧めのパーネシチリアーノ(百八十円)を食べてみた。イタリアのシチリア島で日常的に食べられるパンを、小さくアレンジした。パスタに使われるデュラム小麦とオリーブオイルを原料にした胡麻まぶしのパンで、お隣の国の堅いフランスパンとは対称的に、やわらかく、モチモチ。これは、おいしい。みんなにも、ぜひ食べてほしい。

 奇妙な店名は、フランス語のうふ=卵、るれ=巻くからの造語。服部さんが、食の世界に入って初めて教わった洋食がオムレツ。そこには、調理技術の様々な要素が含まれているそうで「調理師となって三十年余りたった今では、どんな料理よりも得意な一品。常に初心を忘れないためにも、自分の代名詞のようなオムレツを店名にしました」と服部さん。

 そんな思いが詰まったのが、店の名物にもなりそうなオムレツと自家製ケチャップをはさんだサンドイッチ「ふわ熟オムさんど」(四百五十円)。そして、同じくオムレツとケチャップを包んだおにぎり「オニピラ」(三百円)。パンはすべて道産の小麦とバター、牛乳が材料、おにぎりのご飯は自家製ブイヨンで味付けし、冷めてもパサパサしないように、もちきびを加えたバターライス。さすが、一味も二味も違うこだわりだ。

 定休日は水、木曜日。営業時間は午前七時三十分~午後三時。なぜ日本のパン屋は朝から開店しないのだ、と不平をこぼし続けている僕にとって、うれしい限り。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコメモ
 「おにピラ」ってなんだ? 初めて聞いた。でも聞いて納得。ケチャップをかけたオムレツをバターライスで包んでおにぎりにしたもの。
 そんなに期待してなかったけれど、食べてびっくり。珍しい素材を使っているわけではないのに、これが美味しい。
 ケチャップは自家製で、とても優しい美味しさ。ごはんには、道産のもちきびが入っている。だから温め直した時にパサパサにならないのだとか。考えているし、手間もかけている。
 朝からやっている。家の近くにあったら、朝ごはんも昼ごはんもここで買うなぁ。

2022年07月19日号掲載