豊岡4ノ5ノ10
TEL64-6675

 総菜売り場はいまや、スーパーやコンビニにとって、なくてはならない存在。でも、そんな店で買うのに抵抗感がある人もいる。僕も、どちらかと言えばその一人。なぜ敬遠するのか、考えてみた。冷凍品など半製品を調理したものが多い、様々な食品添加物が入っている、味が全般に濃い…。

 やはり、これらを気にする人も多いのだろう。旭川でも最近、対照的に手づくりをうたう惣菜店がどんどん増えてきた。昨年十一月にオープンしたこの店もその一つ。扉を開けると、店の中央に置かれたテーブルの上に満載の、色とりどりのおかずが目に飛び込んでくる。から揚げ弁当(四百二十円)、日替わり弁当(五百五十円)、おふくろ煮物(百六十円)、とり皮ギョーザ(二百十円)、こうや豆腐のあげだし(百六十円)、マカロニサラダ(百三十円)と、約三十種類はあるだろうか。驚くのはその安さ。百三十円から一番高くても五百五十円まで。

 いくつか買い求め、家で食べてみた。おかずつめあわせ(三百九十円)は、ゆで卵、切り干し大根、ポテサラ、レンコンキンピラなど種類豊富。ほんのりと甘く、やさしい味だ。あげだし豆腐は、やはり薄味だけれど、しっかりした味。ミニカツ丼も甘めでおいしい上に、これだけでお腹がいっぱいになりそうなボリュームだ。

 店主の今野清美さん(59)は、長く介護施設で調理の仕事をしてきた。でも、三年前に自転車店とクリーニング店を開いていた両親が相次いで亡くなり、その自宅兼店舗をリニューアルして昔から念願だった食の店を、幼馴染と一緒に開くことにした。「味は薄めだけれど、しっかりインパクトのあるおかずを作るようにしています。みなさんから価格が安すぎるのではないかとよく言われますが、何回も店に足を運んでもらいたいから」と今野さん。

 定休日は第一、四水曜日、日・祝日。営業時間は午前十一時~午後三時。
(フリーライター・ラッコよしき)

 

 

ケロコメモ

 ここはおかず屋さんが2軒並んでいる。どちらも同じおかず屋さんだけど、それぞれ特徴がある。こちらのお店は、中に入ると小さなおかずがズラッと並んでいて、思わず興奮してしまう。

 おすすめは「おかずの詰め合わせ」。日替わりで手作りのおかずがびっしり入っている。これだけの品数を家で作るとしたら、どれだけ時間がかかるんだろう。まあ、こんなに何種類も作らないけどね。

 こんなに入って390円は安い! 安すぎる! 食べると、本当に家庭の味。ちょっと入れ物を替えると、私が作ったように見える…。次はサンキュー丼を買ってみよう。

2022年07月26日号掲載