流通団地2ノ4 TEL 48-6268

 「そば屋をするつもりはまったくなかったのに、気づけばここで働き始めて五十一年になりました」と語るのは、店主の山内史紀子さん(78)。

 市内四ノ十四にあった美登利の本店で働いていた山内さんの父親が一九五〇年に独立。JR旭川駅前での営業を経て七三年、流通団地に移転した。

 そばは四六で、白い見た目が特徴の「更科」。山内さんが毎朝、その日に使う分のそばを手打ちする。案内してくれたそば打ち部屋は、きれいに整頓され、道具類も手入れが行き届いていて、数十年使われてきたとは思えないたたずまい。「そば打ちに使っている道具や機械に『ありがとう』と感謝を込めて、きれいにしているのが一番のこだわりです。保健所の人に褒められるので嬉しいですね」と笑う。

 「創業当時の味から一切変えていない」と説明するつゆは、荒亀節(かつお節)、丸サバ節、宗田節、煮干しでとったダシに、二カ月熟成させた「かえし」を合わせている。

 ざる(六百五十円)、かけ(六百円)、ざるとろ(八百円)、カレー(八百円)など三十種ほどの単品メニューに加え、うどん、そうめん、カレー、丼物、各種セットなど充実のラインナップ。中でも「かしわせいろ」(七百五十円)は、客の大半が注文する人気ぶりという。

 記者は、同店おすすめの「天丼セット」(九百五十円)をいただいた。

 ひと口すすると、そばの太さと、丸みのあるつゆの味わいがちょうど良いバランスで、シンプルにおいしい。

 天丼は、ご飯の上にエビ天、ナスやピーマンなどの野菜天。そこにかけられたタレは、カエシをベースにした濃い目の味で、タマネギも入っていて、それだけでご飯が進み、あっという間に完食だった。

 また、そば湯を使ったコーヒーが、食後にサービスで付くのも嬉しい。

 山内さんは「先代の時からなのですが、ウチのお店は本当に、お客さんに恵まれていると感じています。そして、来ていただく皆さんから力をもらっています。今後も、私がお店をできるうちは頑張りたいと思っています」と話す。

 営業時間は午前十時から午後二時まで。日曜日・祝日定休。(東寛樹)

 

ケロコメモ
 初めて行ったお店。友だちがずいぶん昔から行っている、お気に入りのお店だそうだ。
 店主が手作りが得意で、店内には可愛い人形などがいっぱい飾られている。おそばも食べたいし、丼物も食べたかったので、玉子丼セットにした。
 とてもリーズナブルでびっくり。おそばはもちろんおいしかったけれど、玉子丼が、おかわりしたいくらい味付けがしっかりしていて大満足。
 カレーライスも種類がたくさんあるので、次はカレーにしようと思う。

2025年03月18日号掲載