旭川市豊岡12条3丁目TEL34―6676

 動物園通り沿い、かつてローソンがあった場所の向かいにある蕎麦屋さん「備忠」にお邪魔しました。和食店だった店舗を改装し、今年九月にオープンしたばかりです。

 店内はカフェを思わせるモダンな内装です。店主の備中保さん(39)と奥さんの温子さん(36)が、お客さんにゆっくり長居してもらえるような店をと、知人の家具作家や内装職人とともに自分たちで手を加えたお店です。

 そば粉は幌加内産と多度志産を使用、どちらも農家から直接仕入れています。そばは二・八そばと十割そば、変わりそばの三種。東京で修行を積んだご主人が腕を振るいます。

 もりそば(六百五十円)をいただきました。二・八の細麺をつゆにちょいと付けて一気にすする。そばの香りとコリッほど良い噛みごたえ。のど越しが醍醐味と言いますが、まさにその心地良さを感じます。

 関東風の味の濃いつゆは出汁の風味がしっかりと利いた濃厚な味わいです。二年以上寝かしたカツオだけで取った出汁とかえしで作ったつゆは、そば湯で割ってもコクがあります。

 もりそばはシンプルでダイレクト。いろいろ試してみたいなら二・八と十割、変わりそばがいっぺんに食べられる三色せいろそば(八百五十円)がおすすめです。

 「多くの出会いがあって始められた店です。これからはお客さんとのつながりを大切にしてゆきたいです」と笑顔で話すご夫婦でした。

 午前十一時半から午後三時まで。月曜定休。

(取材・草嶋一介記者)

ケロコのひとことメモ

 新しいお蕎麦屋さんが出来たと聞いて行って来ました。スッキリと居心地の良い店内。聞けば、格子などは時間を掛けて手作りしたそうです。

 お蕎麦が、すごくおいしかった。もっと気に入ったのがつゆ。好みもありますが、最近のつゆは、どうも甘味が舌に残り、途中で飽きてしまうことが多いのね。ここのはちょっと濃いかなと思いましたが、東京で修行をしたと聞いて納得。後味もとっても良いの。

 御夫婦の一生懸命で誠実な接客も気持ち良く、また食べに行きますね。

2012年11月06日号掲載