既視感がある、こう感じた方が少なからずいたと思う。高市早苗・経済安全保障担当相は、野党議員が暴露した総務省の行政文書について、「本物だったら、大臣も議員も辞める!」と啖呵を切った。高市大臣の後ろ盾だった安倍・元首相が二〇一七年二月、森友学園への国有地売却についての国会答弁で、「私や妻が関係していたら、総理大臣も国会議員も辞める」と発言した。この啖呵が、財務省の大規模な文書改ざんを招き、後に真面目な公務員を自死させることになる。高市大臣は、ボスの真似をして批判をかわそうとしたが、ボスの嘘は天賦の才で、子分・高市の力量では火に油を注ぐ結果になった。後ろ盾を失って、高犬じゃなかった高市氏は、政界からフェイドアウトして行く運命なのかな。

 その高市大臣の名前が旭川市議会でも取り沙汰されている。「SNSで高市早苗氏を中傷、野村・旭川市議の立民離党了承」と見出しが付された読売新聞オンライン一月二日付の記事。

 ――立憲民主党道六区総支部(北海道旭川市など)は(二〇二二年十二月)二十九日、西川将人支部長や道議らによる幹部会議を開き、旭川市議の野村パターソン和孝氏がSNSの発信を巡って離党の意向を示したとして、全会一致で離党を了承した。近く党道連に報告し、正式な手続きに入る。
 野村氏は二十八日、自身のツイッターで、高市早苗経済安全保障相を中傷する投稿を行った。同市や議会事務局に「非常識だ」などとする抗議の電話が多数寄せられたことを受け、西川氏が二十九日夕に野村氏にただしたところ、離党を申し出た。

 野村氏は読売新聞の取材に対し「高市大臣や立憲民主党の関係者に迷惑をかけ、申し訳ない」と陳謝した。

 総支部幹部は取材に「投稿は個人の尊厳を傷つける内容で、やり過ぎだ」と指摘した。また、西川氏は四月の統一地方選への影響について「野村氏が旭川市議選で立民の公認になると、ほかの候補に迷惑がかかる」と語った。(引用終わり)

 野村パターソン議員が批判を浴びたのは、ツイッターに投稿した「#高犬早苗さんを葬儀大臣に」などの文言だそうな。高市氏が故・安倍元首相のポチだった、という意味なのか。自民党の総裁選で安倍氏が高市氏を推したという経緯もあるのかな? いずれにしろ、シャレとしてはかなりの低レベルだ。安倍・高市嫌いの私でさえ、ちっとも笑えないし。

 野村パターソン議員が酒に酔った状態で投稿したんじゃないか、と疑いたくなるようなレベルの話に、自民党会派の一部議員がアホみたいに本気で噛みつき、辞職勧告決議案を提出したんだと。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。