北海道新聞の夕刊が早ければ九月末にも廃止になるそうだ。雑誌「財界さっぽろ」が六月十五日発売の七月号で報じたが、道新はまだ正式な発表はしていない。本紙あさひかわ新聞も、道新の販売店を通じて配達・集金をしてもらっているから、直接的な影響がある。他人事ではなく昨今の新聞業界の厳しい経営環境を考えれば、道新の夕刊廃止は、「いずれは…」と見ていたが、「ついにか…」というのが本音だ。

 新聞業界の衰退、斜陽化は色々なところから垣間見える。ただ、米国の紙の新聞衰退に比べて、日本の衰退ぶりはまだ“まし”な方らしい。米国では、リーマンショック(二〇〇七―〇八)後から、すさまじい勢いで地方新聞の廃刊が続いているという。日刊や週刊などを合わせた地方紙は〇四年には八千八百九十一紙あったが、二二年には六千三百七十七紙に激減している。新型コロナの感染拡大が始まった一九年末以降では三百六十紙超が廃刊となり、〇八年に七万人いた記者は、十五年で三万人と約六〇%が解雇されたそうな。

 新聞記者という職業も、かつてのような“花形”ではなくなった。道新の現役幹部によると、「いい人材が目に見えて集まらなくなった。十年前とは隔世の感がある」と言う。思い当たるふしがある。弊社も、極小とはいえ一応は新聞社。五、六年前までは、社員を募集すれば、さほど苦労せずに幾人かの応募があったものだ。が、ここ数年は状況が変わった。ハローワークに「記者募集」を出してもさっぱり応募がなくなったのだ。もちろん、給料を高くすれば違う結果になる可能性もあるのだろうが、厳しい経営環境を考えれば、コトはそう簡単ではない。コストを抑えて生産性を上げる妙案はないものか。

 七月十二日付朝日新聞朝刊に、米国の地方紙が「チャットGPТ」を使って少ない記者の仕事を補う動きが広がっている、という記事が載った。六面の「経済・総合」のほぼ三分の二を占める大きな記事。末尾に(米カリフォルニア州ユーリカ=五十嵐大介)の署名がある。書き出しは、こうだ。

(工藤 稔)

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