7ノ7・℡26―7626

焼鳥屋さんは前を通るだけで、漂ういい香りについ、ふらっと立ち寄りたくなります。今月四日、七条通七丁目にオープンしたばかりの「くしや」さんにお邪魔しました。

 森産婦人科病院近く、ちょっと「隠れ家」風なたたずまい。ドアを開けると、「いらっしゃいませ」とおっとりした雰囲気の山下慶子店主(43)が迎えてくれます。数軒の居酒屋さんで学び、居酒屋「雪屋」(三ノ七)さんのプロデュースで開業したそうです。

 骨董屋で湯のみや和食器を集めるのが趣味とのことで、カウンター越しの棚には可愛らしい湯のみがズラリ。お酒は「男山」「国士無双」はじめ、「加賀鳶」「八海山」など日本酒が揃っていますから、お気に入りの湯のみで日本酒…なんて楽しみもできそうです。焼き鳥のいい匂いにお腹がグー、まずはいただきます――。

 「レバー」(二本二百六十円)は、臭みがなく、レバー独特のおいしさを、ほどよい甘みのタレで引き立たせています。続いて「チャップ」(五百円)。厚さ一・五㌢ほどとぶ厚く、肉を食べた! という幸せな気分。「サンロク街からは離れてるので、せっかく来てくれるお客さんへのサービスに、なるべく肉は大き目にしています」と山下さん。こちらも同じタレですが、「チャップ丼」(六百五十円)は秘伝のうなぎ用のタレを使っているとのこと。

 山下さんオススメは「ぶた串」(二本、二百六十円)。バラ肉を使う店が多い中、ここは肩ロースを使用。肉厚で心地よい歯ごたえ、グッと広がる豚肉のうまみ。塩加減もほどよく味を引き出しています。

 「私が小さなころ、父がよく焼き鳥屋さんに連れてってくれて、そこの豚串が肩ロースだったんです。その味と、思い出が忘れられず…」と山下さん。素敵な陶器のお皿に載った串には、子どもの頃の思い出がこもっているのでした。

 火曜、祝日定休。午後五時から十一時(ラストオーダーは十時半)まで。

(取材・太野垣陽介記者)

ケロコのひとことメモ

私の家のすぐ近くに焼き鳥屋さんができたと聞いて、すぐに行ってきました。意外な場所だなあと、ドアを開けるとこれまた意外。「焼き鳥屋さん」のイメージとはちょっと違うオシャレな店内です。

 私の好きな居酒屋「雪屋」さんプロデュースというので、期待は増します。焼き鳥は塩派ですが、秘伝のタレがオススメと聞き、豚とレバーを注文。

 甘過ぎず、しょっぱ過ぎず、とってもいい感じ。チャップもすごくおいしかった。次に行ったらチャップ丼も食べてみようかな~。

2015年03月17日号掲載