3ノ6・TEL0166-27-1986

 季節の食材をメインにした〈素材料理〉の店を看板にしている。何を食べてもおいしい――。そんな評判を耳にしたので、何回か訪れたことがあるけれど、いつも小さな店内は客で満杯。今回、取材という形でやっとお邪魔できた。

 しかし、思うのだけど、最近の三・六街は混んでいる店とそうでない店の落差がどんどん大きくなっている。やはり、混んでいるのは美味しくて価格が適正な店。これだけ落差が大きくなったのは、スマホなどで簡単に店の評判を手に入れられるようになったのが大きいかも知れない。

 このお店、新鮮な季節の魚介類がメイン。訪れた日は、金色に輝く大ぶりのシマアジ、アジ、サンマ、ボタンエビなどが並んでいた。海の状況によって、入荷する種類はその日にならなければ分からないそう。

 日替わりのつまみは生きくらげ炒め、ゴーヤチャンプルー、コマイの炭焼き、肉みそもやしなどいずれも五百円と格安。天ぷらも舞茸、とり、生たこ各五百円とうれしい。

 お薦めという明太子卵焼き(五百円)をいただいた。卵三個を使ってボリュームたっぷりで、口に入れるとふわふわ、とろとろ。明太子のピリッとした辛さとの相性が絶妙だ。店主の丸山浩史さん(47)によると、北海道の人は若い人からお年寄りまでみんな卵焼きが大好き。だから、卵焼きはこのほか厚焼き、ネギたっぷり、マヨネーズ、カニなど全部で五種類もそろっている。

 名物料理は「牛塩もつ鍋」(二人前二千五百円)。醤油、味噌味のもつ鍋が一般的だが、ここは塩味。年間を通じて、どの世代にも好まれているという。「変わった料理は出していないけれど、新鮮な旬の素材にはこだわっています。価格も安く設定しています」と丸山さん。

 無休。営業時間は午後六時~翌一時(金、土、祝前日は翌二時)。カウンター席、小上がりとも予約がお薦め。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 私はお酒が飲めません。だから、居酒屋さんにはご飯を食べに行くか、宴会かという感じ。一人で行くなんて、とんでもない! なのに、一軒だけ一人で行ける居酒屋さんがあります。それが「田、ぬき村」。

 カウンターに座り、ビワミンソーダとミニウニ丼を頼みます。ウニの他に、おまけでマグロの刺身ものっていたりして、あっという間にご飯を食べて、お代わり。それなら、最初から普通のを食べればいいんだけどね。お刺身最高。モツ鍋最高。このお店、大好きです。

2018年08月28日号掲載