西御料2ノ2ノ1・TEL73-4164

 旭川で暮らすようになった七年前のこと。この地のスイーツは北見や十勝に比べて味が落ちるなと、失礼ながら思った。あくまで個人的な見解だが。ところが最近、美味しい専門店やカフェが増えている。

 この欄でも、そんな店を取り上げてきたが、今回もその一つ。一月、閑静な住宅街の中にオープンした。

 店主のパティシエ落合麻美さん(34)は、なんと小学生のころから趣味でスイーツ作りを続けている。自分の店を持つことは、前々からの夢だったそうだ。

 スイーツのメニューは、フルーツタルト(六百五十円)、ガトーショコラ(五百五十円)、濃厚ベイクドチーズ(同)、ショートケーキ(各五百五十円)、ロールケーキ(五百円)などお馴染みが並ぶ。といっても、いつもあるわけではない。「名前は同じでも、中身は私の気分次第で変わります。今日はあっても、二度とお目にかからないのもあるかも」(落合さん)なのだ。

 例えば、訪れた日のお薦めだった週末限定のフルーツタルト。巨峰、ピンクグレープフルーツ、オレンジ、ゴールドキウイ、ナシと旬の果物が山盛り。彩りは美しく、そして驚くほどのボリューム。ふっくらしたシフォンケーキと店名の由来となった愛犬の柴犬マルオくんとツナくんの顔をしたクッキーまでサービスについている。「自分自身が小さいのより大きいケーキが食べたいと、ずっと思ってきたから」と落合さん。

 お薦めのもう一品は日替わりプリン。この日の中身はカボチャとアズキ。プリンと言えば、やわらかいイメージだけど、ここは一味も二味も違う。日によって変わる素材と卵、牛乳などなどを合わせ、オーブンでしっかり蒸し焼きにしている。他ではちょっと食べられない美味しさだ。

 きょうは何が食べられるだろう。スイーツ好きは、きっとドキドキするに違いない。

 定休日は第一、三、五水曜日と毎週木曜日。営業時間は午前十一時三十分~午後八時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 この人はケーキを作るのが大好きなんだと、黙々と仕事する姿を見て思いました。初めて食べたのが、バナナとオレンジとチョコのロールケーキ。おいしい!そして大きい。お皿の上には、おまけのケーキと可愛いクッキーものっている。

 同じメニューはほとんどなく、その時の思いつきで作っているらしい。芸術だ! 独学でやっているので、既成観念にしばられないから、独創的なのができるのだろう。
 先日食べたスーパーチョコミントもすごかった。これはぜひ、また作ってほしい。

2018年09月11日号掲載