緑が丘3ノ3・TEL65-0247

 豚肉は美味しい。でも、料理法の違いでここまで美味しくなるとは。

 このお店、三年前に当欄で紹介した。それが今年九月、店名も西神楽の「すぎもとファーム」の良質な豚肉を中心に使うのも同じだけど、経営者とシェフが替わってリニューアルオープンした。経営者は豊田の坂井ファームで、米や野菜は自社製と近郊のものを使う地産地消を徹底。以前は、イタリアンだったが、新店はフレンチが基本と一八〇度転換した。

 シェフ兼店長は、市内のホテルや結婚式場でフレンチの腕をみがいてきた押切和也さん(38)。以前から飲食店を開きたいと考えていた幼馴染で、坂井ファームのオーナーとタッグを組むことにした。

 メニューの中心は、四種の〈ぶたにくごはん〉。「ポークステーキ和風クリームソース」(千百円、以下税込み)、「薄切りロースポークのライスドーム、トリュフ香るステーキソース」(同)、「粗挽きポーク&和牛挽肉ハンバーグ、デミグラスソース」(同)、「ほろっとポークスペアリブ、おろしリンゴソース」(千三百八十円)。すべて異なるソースがすごい。

 いただいたのはスペアリブ。ナイフを使わなくても、フォークでほろほろと切れる柔らかさ。こんなの初めてだ。醤油とリンゴが見事に調和したソースが、また秀逸。

 押切さんによると、スペアリブを一晩かけてじっくり煮込み、いったん冷ました後、粉をまぶしてカリッと焼く。ポークソテーにしても、ブロックのままオーブンに入れて百五十度の低温調理で一時間火にかけ、これも冷ました後、厚切りカットして焼く。とにかく、手間暇がかかっている。

 ケロコさんが「やせなきゃ」と言いつつ、食べまくるデザートも充実している。代表が、ほろ苦キャラメルなど三種の「ふわふわプディング エスプーマパフェ」(各五百五十円)。エスプーマとはスペイン語で泡の意味。生クリームのフワフワ感がすごい。まずい、これは。食べ過ぎてしまう。

 無休。営業時間は午前十一時~午後九時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 どちらかというと、肉より魚の方が好き。でも、突如として美味しいお肉が食べたくなる。

 そんな時に、行きたくなるのがこのお店。久しぶりに行ったら、経営者とシェフが変わっていた。でも、すぎもとファームの肉を使っているのは変わらない。ハンバーグも美味しいけれど、私はポークステーキが好き。柔らかく、豚肉の香りがして、本当においしい。

 もう1つの発見はデザート。お腹いっぱいでも、これは食べないとだめだ。エスプーマパフェ。口の中で消えていく…。

2020年12月15日号掲載