永山7ノ7・TEL47-5715

 店に入った途端、圧倒された。なんという種類の多さ。聞けば、常時百種類以上ものパンをそろえているという。しかも、この十年間は毎週、新作のパンを登場させているそうだ。

 いちごメロンパン(百八十円)、ハムオニオン(同)ぐらいなら、味が予想できる。でも、たくあんパン(二百円)、レーズンラップ(二百五十円)、ア・ホ(二百円)とは?

 たくあんは、細かく刻んだたくあんとマヨネーズを和えたもの。食べてみると、オッ、絶妙の組み合わせ。コリコリ感がたまらない。レーズンラップは店の一番人気だそうで、チキンカツとレタスを、イーストなしのナンのような生地で巻いたもの。パンというより、春巻きなどの料理を連想させる美味しさ。ア・ホは、スペイン語でニンニクの意味。三十㌢以上はあるお皿のような生地の中にニンニクがたっぷり入り、これはくせになりそうだ。

 一人でこれらを焼き続ける店主の伊藤和成さん(46)は、上富良野でパン屋を経営していた父の姿を見て育ったせいか、モノを作るのがもともと大好き。旭川大四年生の時、東京の日本パン技術研究所で徹底的にパン作りを学んだ。そして大学卒業後、迷わず現在地でパン屋を開いた。

 こだわるのは、まずパンに使う粉。十六種類もの粉をそろえ、パンの種類ごとにブレンドして焼き上げる。「粉一つで、香りも味も違ってくるんですよ」。体に悪い添加物は基本的に使わない。マーガリンも使わず、バターだけ。「自分で作れるものは一から自分で作る」と、ハンバーグやマヨネーズ、カレーなどはすべて手作りだ。

 二階にあるお洒落なイート・イン・コーナーでは、コーヒー飲み放題(三百円)でこれらのパンを食べられる。ぜひ、好みのパンを見つけてみて。
 定休日は日、月曜日。営業時間は午前九時~午後七時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 ここはいつも、ちょっと珍しい、変わったパンがある。行くたびに「今日はどんなのがあるかしら」と、ひそかに楽しみにしている。

 一番びっくりしたのは「たくあんパン」。マヨネーズであえたたくあんをのせるって、考えたこともない。どう考えても、美味しいはずがないと思ったけれど、けっこういける。ぜひ、一度は食べてほしい。

 もうひとつは、金時スペシャル。金時の甘納豆をびっしり入れたというが、甘納豆にパンがくっついているって感じ。これは、すごい。次はどんなのがあるかな。

2021年01月26日号掲載