東7ノ3ノ1ノ4・TEL080-6310-9670

 Book&cafeというから、本も読める喫茶店なのだろうと思っていたら、大間違い。喫茶コーナーを併設した小さな、小さな本屋だった。オーナーは鎌倉博幸さん(65)。開店の経緯を聞くと面白い。サラリーマンで定年を迎えたあとは、自分が楽しいことをしたい。それは、好きなジャズを聴きながら好きな本を読むこと。どうせなら、趣味の延長でジャズがかかった本屋を開くか――。というわけで、昨年一月に開店した。

 建物は、父(Zenjiroさん)が住んでいた築六十年以上の実家を改装。本当に居心地が良い空間で、ペレットストーブの炎が身も心も温めてくれる。棚に並ぶ本は、ジャズ、映画、建築、デザイン、小説など鎌倉さんが読みたいと思った本千三百冊余り。

 喫茶コーナーでは、飲食だけでもOK。購入した本は、ここで読める。飲み物は、個性的なコーヒー専門店「たく」の豆を淹れたブレンドコーヒー(四百円)、自家製ホットジンジャーエール(四百五十円)など。食べ物は、奥さん手作りのガトーショコラ、チーズケーキなどからひとつを選ぶ本日のケーキセット(七百五十円)、卵サンドか野菜サンドから選ぶ本日のサンドイッチセット(同)があり、いずれもドリンク付き。食パンは、東旭川の「ループ」の天然酵母パンだ。

 僕も約五十年間聴き続けている大のジャズ好き。渋いジャズを聴きながらジンジャーエールを飲み、キュウリと卵がたっぷり入ったサンドを食べたら、どんどん幸せな気持ちになってきた。帰りに『料理の四面体』(玉村豊男著、中央公論新社)、『地球のごはん~世界30か国80人の“いただきます!”』(ピーター・メンツェル著、TOTO出版)を購入。このところ毎日読んでいるが、これが断然面白い。店で感じた温かさがわが家でも続いている。

 定休日は月、火曜日、第一水曜日。営業時間は午前十一時~午後七時。(フリーライター・吉木俊司)

ケロコのひとことメモ

 なんとも居心地のいい空間。入ってまずコーヒーを注文して、来るまで並んでいる本を見る。決して多いわけじゃないけど、私にとって良いとこを突いている本が多いからうれしい。

 何年か前までは、1日か2日に1冊、本を読んでいた。読んでない本が2、3冊ないと不安になる。まず1冊ゲット。コーヒーを飲みながら本を読む幸せ。

 卵サンドも、キュウリが入っていて美味しかった。ここは、1人で行った方がいいな。好きなだけ読んで、コーヒーお代わりして…。また行きたくなるお店です。

2021年02月16日号掲載