旭川市大町1ノ4・TEL 51-3968

 「あと二年で創業百年になるんだよ」と、店主の小山和徳さん。ここは大正十四年創業の老舗のおそば屋さんだ。祖父母の代から始めて九十八年、おいしいおそばを提供し続けている。

 おすすめのメニューを聞くと「うちはメシ屋じゃなくてそば屋だからね、かけとかもりとか、シンプルなやつを食べて欲しいよ。でも、よく出るのは何か乗っているやつだね(笑)」と答えてくれた。

 ちなみに、取材に伺った日、一番出ていたメニューは、とろろそば(八百五十円・税込)だったそうで、聞けば「うちのとろろは大和イモを使っていて、夏と冬で粘りが違うから時期によっては違う産地のものをブレンドする。今は群馬県産を使っている」というではないか。気になってしまって、是非にと、とろろそばを注文した。

 粘りの強いとろろの上には卵黄がのっていて、これから暑くなる季節にスタミナが付きそう。とろろと卵黄をよく混ぜてからつゆを入れて…、ちょっと考えてから全部おそばにかけて混ぜながら食べるスタイルにしてみた。

 一日二回、手打ちしているおそばは、きりっと冷たくてのど越しがいい。とろろの風味と粘りも合わさって、箸が進みぺろりと完食した。

 そばつゆも塩味がはっきりしていて、けれど後味は旨味がありつつ、さっぱりしている。かなり美味しい。このつゆは、出汁にかつお節や昆布ではなく、全て瀬戸内の伊吹島産の伊吹いりこを使っている。小山さんのルーツは四国にあり、今でも親戚がそちらにいるとか。創業の頃からのこだわりの一つだそう。

 そして、今回はいただかなかったけれど、メニューに気になるものがあった。とりめん(八百四十円・同)やラーメン(七百四十円・同)だ。おそば屋さんで、ラーメン? とっても興味を引かれる。次回来店時にはチャレンジしてみたい。

 営業時間は午前十一時から午後五時まで。第三日曜日定休。その他、不定期で休みがある。詳細は、旭橋みずほ通商店街振興組合ホームページで確認できる。(作田穂菜美)

 

ケロコメモ
 もうずいぶん前から気になっていたお店。わりと家から近いので、いつでも行けると思っていたけど…やっと行けた。
 入ってびっくり。往年の巨人軍のスター選手のサインがズラリ。私の知っている選手もたくさんいて、席に着く前にしばらく見ていた。
 そばつゆがなかなかいける。聞いてみると、出汁にかつお節を使っていないとか。これにもびっくり。私がいつも出汁をとる時、メインはかつお節だ。かつお節を使わないなんて…。でもおいしい。おじいさんの代から香川県伊吹島のいりこを使っているとか。
 ラーメンを食べている人も多い。リピート決定だね。

2023年06月27日号掲載