旭川市永山4条13丁目
TEL 090-9665-9340

 「革靴」「喫茶」「酒場」と大きく書かれたのれんが住宅街の中で、ひときわ目立つ。

 ここは、セミオーダーの革靴工房と古布の洋服販売、そして昼は喫茶、夜は酒場というちょっと変わった複合店だ。京都から沖縄を経て、オーナーの新里春香さん(38)の地元である旭川で四月にオープンしたばかり。

 「沖縄料理店、というわけじゃないんですけど、沖縄から取り寄せた野菜を使ったメニューもあります」と新里さんがオススメしてくれたメニューが、沖縄産金美人参の粒マスタードラぺ(四百円・税込)。これが、ものすごく美味しい! オリーブオイル、白ワインビネガー、ハチミツ、マスタードで味付けされているそうなのだけれど、オレンジジュースのようなフルーティーな味がする。ニンジンを蒸してから作っているせいか、ニンジン臭さもない。

 「どのメニューも『この味付けが一番美味しい』と思ったもので出してます。オススメはだし巻きですね。京都で覚えたレシピから北海道の味覚に合わせてちょっと変えて作っています」と出てきた、京都から来ただし巻きたまご(六百円・同)は、だしたっぷりで、お皿を動かすとふるふる震えるほど。京都のだし巻きに甘みはないそうだけど、これは優しいほんのりとした甘みがあってとても美味しかった。

 トロたくのアテ(五百円・同)はノリで巻いて食べるスタイルで、とてもお酒が進む味だ。

 今回紹介したのは、全て夜の酒屋営業のメニュー。「気軽に来店して一杯二杯飲んで帰る、というような使い方をしてもらえたらうれしい」と笑顔で話す新里さんだ。

 営業時間は昼が午前十一時半から午後二時、夜が午後五時から十一時。どちらも三十分前ラストオーダー。定休日は火曜日と隔週の水曜日。詳細はインスタグラムで確認を。(作田穂菜美)

 

 

 

 

ケロコメモ
 4月にオープンしたばかりの食堂。どんなお店なのか楽しみに行ってみると、落ち着く空間。
 驚いたのは、食堂の一角に革靴が並んでいること。近くで見てみると、セミオーダー革靴と書いてある。靴も作っているんだ。
 新里さんのご主人は、沖縄出身の靴職人。決して安くはないけれど、自分の足にぴったりの革靴を作ってくれるそうだ。これまでの人生、足に合わせる靴じゃなくて、靴に足を合わせてきたような…。俄然、作ってみたくなった。
 喫茶メニューのサンドイッチを食べてみると、具がたっぷり入っていた。夜は居酒屋になるらしい。ゴーヤチャンプルーを食べに行きたい。

2023年07月11日号掲載