前々号、前号で旭川市はここ十年余りの間に、ゴミ処理の施設新設や改修に、最低でも三百六十億円という巨費を投じる必要に迫られている、という実態について書いた。市庁舎の新築が注目を浴びている時点で、市民生活に直結するゴミ処理の分野に途方もない金額を投資しなければならない現実を明らかにすれば、市民の間に「ゴミと市庁舎と、優先順位はどっちだ」という議論が沸騰するのは必至。だから、あえて黙っていた。あるいは秘密にしていたのではないか、と。この指摘に読者だけでなく、市議会議員からも様々な声をいただいた。

その反響の一つ。金谷美奈子議員(無所属)と弊社記者との雑談の中で、「もしかすると、西川市長は、間違った答弁をしているかも知れない」という話になったという。過去の議事録を調べてみると、やはり…。正確を期すために、四月三日号の小欄の一部を。

のとや繁議員(共産)は次のように質問した。

――これらの全体の事業費が、メーカーなどの概算見積もりでは、次期資源化施設(近文リサイクルプラザの後継)に約二十五億円、最終処分場に五十五億円、清掃工場に約二百八十億円、合計三百六十億円という恐ろしい金額がかかる予定とのことだ。

代表質問でも大型事業の優先順位を定めるよう質疑したが、市全体の総合調整がされているか、はなはだ疑問である。

分科会では、市長は知っていたのかと聞いたが、スケジュールくらいしか知らないとの答弁だった。市長は、当然、先々の見通しも持ちながら、今回PFIの調査費を予算計上していると思うが、ゴミ処理システムの再構築の全体像について、特に事業費のことは知っていたのかどうか。

西川市長の答弁はこうだ。

――各ゴミ処理施設の現段階での整備にかかわる事業費につきましては、昨年策定した最終処分場整備基本構想で示された次期最終処分場の約五十五億円以外については承知しておりませんが(後略)…

のとや議員は、「市長が、ここ十年の間に必要になる、ゴミに関する一連の施設整備に要する三百六十億円という金額を知らないことにも驚いたが、市長に『知らない』と答弁させる役人に、もっと驚いた」と話した。(引用終わり)

ところが、市長は知っていた、あるいはウソを言っている、と思わざるを得ない事実がある。金谷議員は二〇一七年(平成二十九年)二月、民生建設予算特別委員会分科会で、ゴミ処理施設の更新、建設費用などについて質問し、担当者から次のような答弁を引き出している。

(工藤 稔)

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