六日付各紙は、二十一日投開票の参院選の世論調査や情勢調査の結果を発表した。各紙の見出しは――

 「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力2/3は微妙」(朝日)、「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力2/3うかがう」(日経)、「自公、改選過半数の勢い 改憲勢力3分の2視野」(道新)、「参院選 自民が優位 比例党投票先36% 立民は10%」(読売)、「改憲 3分の2割れも 与党、改選過半数は確保(毎日)

 朝日、日経、道新の三紙は、改憲勢力が三分の二を維持は、「微妙」「うかがう」「視野」と表現が異なるが、見出しのニュアンスはほとんど同じ。読売も含めて、自民は「大勝」まで行かないが、「圧勝」するだろうとの予測だと読める。

 毎日だけが、政権与党の自・公に、憲法改正に前向きな日本維新を加えた「改憲勢力」の獲得議席が、改憲発議の条件である参院定数(二百四十五)の「三分の二」(百六十四)議席の維持に必要な、八十五議席を獲得できない可能性がある、と予測する。

 実は、今回の選挙で、注目している政党がある。徹底した反原発で知られる山本太郎が旗揚げした「れいわ新選組」だ。プロフィールを簡単に紹介すると――

 一九七四年、兵庫県宝塚市生まれ。俳優。二〇一三年の参院選に東京都選挙区から無所属で出馬。六十六万六千票余りを獲得し、四位で初当選。その後、政党要件を失っていた生活の党(小沢一郎代表)に入党し、党名を「生活の党と山本太郎となかまたち」に改めさせた。曲折があり、参院選に向けて今年四月、れいわ新選組の設立を発表。選挙資金をネットでの小額の個人献金で賄うと訴え、三カ月で三億円近くを集めたという。

 マスコミではほとんど取り上げられないので、読者の中にも「なに、それ?」という方も少なからずいるかも知れない。六日付のほとんどの新聞の参院選特集では、比例区は「れいわ新選組」「れいわ」とあったが、東京選挙区に立候補した、沖縄創価学会壮年部の野原ヨシマサ候補は「諸派」になっている。山本が出れば当選の可能性が高い選挙区に、なぜ野原を? 朝日の情勢解説には「公明党代表の山口は公明支持層をほぼ固め、れいわが公明の支持母体である創価学会の会員野原を擁立した影響は目立たない」とある。なるほど…。

(工藤 稔)

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