「すみません。一昨日から、工藤は喉が痛い感じで、熱はないからコロナではありませんが、19日の○○会は、中止にします。こんな時だからこそ、なんとか開催したかったのですが。ごめんなさい」

 十四日朝、私が十人に送信したメールである。幹事役を務める会合が幾つかある。そのうちの二つを取りやめた。理由は、喉の痛みと咳(せき)。

 ここ十年来、風邪をひいたことがない。以前は、ひどい風邪で寝込むのが年中行事だったのに。亡き先輩に勧められて服用し始めた、少しお高い滋養強壮医薬品の効果だと、自信満々だったのだ。

 へそ曲がりな性格で、外に出るな、と言われれば出たくなる。だから、マスクをした知事が非常事態宣言を発令したりしたら、「よし、飲みに出るぞ」となった。何軒か飲み歩いた、どの店で、誰にもらった風邪なのか、かなり性質(たち)が悪い。昼間は、ほぼ正常なのだが、夜半から喉が痛くなり、咳が出る。誘って“出陣した”友人は、ピンピンしているのに、可哀そうに家人に伝染した。しかも、治ったと思うと、またぶり返す。

 夫婦して持病がある高齢者である。正直なところ、少し慌てた。「新型コロナ感染症の症状」を調べると、喉の痛みや咳に加え、何より、強い倦怠感と高熱が続く、とある。倦怠感こそないが、熱が出ていたら、あさひかわ新聞の報道に従って、旭川市保健所に電話して、どうすればいいか相談していただろう。

 「いつまで続くのかねえ」が挨拶のようになっている。ある飲食店のオーナーは、「じっと耐えるしかないけどさ、精神論だけじゃ、この災難は乗りきれない。国民の命と財産を守るって、安倍さんいつも言ってるじゃないか。こんな時こそ、すぐに、面倒な手続きを出来るだけ略して、スピーディーに零細事業者に金を回す手立てを講じてほしい。内部留保がたっぷりある大企業は潰れない。資金力のない店や業者は、一日、二日が勝負なんだ」と、珍しく強い口調で話してくれた。

 関わっている市民グループのイベントを四月中旬に予定通り開催すべきか、迷っている。例年は三十人ほどが参加するのだが、形を変えて規模を縮小するか、その後の講演会はどうするか…。講師を含めて、飛行機を使って本州から参加する方もいるから、判断は難しい。

 政府の専門家会議が十九日に示した「三つの地域」に当てはめると、旭川は②「収束に向かい始めているか、一定程度に収まって来ている地域」に分類される、と思う。数字で明確に判別はできないが、残り二つの①「感染状況が拡大傾向にある」、③「感染が確認されていない」地域ではないと推量できるから、である。

(工藤 稔)

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