もうかなり昔の話なのだが、中央図書館の前の通りに、図書館がオープンした時から設置されている、オブジェでもない、彫刻でもない、よく分からない飾りのような金属製のモノについて、邪魔になるだけだから撤去した方がいい、と本欄だったか、他のコラムだったかに書いた覚えがある。公共の道に置く作品は、原則として制作者の名前を記すべきだ。そうすれば、一定程度のふるいの役目を果たし、見る者が恥ずかしくなるようなレベルのモノが公共の場に設置される事態は減るのではないか、との提案だった。

 美しいか、そうではないか、訴えるか、見過ごされるか、デザインとして優れているか、どうでも良いか…、ラーメン店の好みほどではないにしても、個人的な趣味趣向が少なからず作用するのは間違いない。だが、だが、である。真似たか、パクったか、手本にしたか、という領域になると、あのさぁ、白を切るのは自由だけどさぁ、プロなんだからさぁ…、と何だか、情けない気持ちになってしまうのである。

 九月十五日から三日間、買物公園から常磐公園にかけての一帯を会場に、「北の恵み 食べマルシェ」が開かれる。三回目の今年は、日本発の常設歩行者天国・買物公園のオープン四十周年記念という冠がつく。そのポスターが完成し、あちこちに掲示されている。市政記者クラブを通じポスター完成の報道依頼が届いて、まず驚いた。「パクリじゃない、これ」。昨年、一昨年のポスターの詳細を具体的に記憶しているわけではないが、イメージとしては鮮明に、強烈に、あった。「昨年、一昨年のデザイナーの作品でないことは明白だが、似てる。しかもレベルが漫画チックにダウンしちゃって」。

 私は関知していないのだが、インターネットのフェイスブックに、昨年と今年のポスターが並べてアップされ、かなり騒がれたのだそうな。覗いて見ると、その中のコメントの一つに「パクリかどうかという問題もありますが、このポスターは、去年より良いものを提案しようという意気込みが感じられないし、そんなデザインを選んだ側にも、去年より良いイベントにしようという気持ちがないんだろうな、って感じてしまいます」とあった。

(工藤 稔)

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