4回目の当選、おめでとうございます。で、ちょっと注文を――

 市長選挙が終わった。小欄で書いた「あさひかわ新聞 市長選模擬投票」の結果は、公職選挙法違反の罪に問われる恐れがあるから公表できなかったが、今津候補の方が多かった。七十歳以上の高齢者や二十歳以下の若者の割合が少なかったし、何より百足らずのサンプル数では、正確な予測は不可能ということだろう。
 北海道新聞電子版が、投票が締め切られた十一日午後八時の時点で、「西川氏4選確実」と報じた。期日前投票や当日の出口調査で、西川氏が大差で勝っていたのだろう。

 開票結果は西川将人氏八万千三百二十九票、今津寛介氏五万四千五百四十票。その差二万六千二十七票は、三百六十五日、毎日選挙運動をしているがごとき現職を、知名度に劣る新人が打ち負かすのがいかに困難か、という証左でもある。

 ただ、模擬投票をお願いした有権者からは、西川市長に対する「もういいでしょう」という声をかなり聞かされた。「十二年やって、さしたる成果を出さない市長が、あと四年続けて結果を出すとは考えられませんから」という厳しい意見である。模擬投票をしてくれた女性からのメールを紹介しよう。五十歳代の経営者。彼女は迷った末に今津候補に投票した。

 ――市庁舎のことが大きい、とお話ししましたが、補足したくてメールしました。

 私が西川市長にスカッと投票できない理由は、「市庁舎を建て替えてしまうから」ではないんです。「旭川を象徴するあの美しい市庁舎を簡単に建て替えられる感覚」とでも言いましょうか。

 それは「旭川の将来にものづくり大学が絶対に必要だとピンと感じられない鈍感さ」と一致します。つまり、市庁舎とものづくり大学は、西川市政の「象徴」に私には思えるのです。

 そういう意味で、市庁舎への考え方が選挙のポイントだと思っています。
 もう一人、彼は友人で、考え方を知っているから、間違いなく西川候補に投票すると確信して模擬投票のお願いはしなかった。六十歳代後半、元公務員の彼からのメール。
 ――市長選挙が始まりましたね。市庁舎の問題や、旭川大学のことなんかもあり西川候補はイマイチですが、私は、自民党と公明党が推す今津に入れる気はまったくしません。

 もちろん西川は、自分にとって、あくまでも、“よりまし”候補でしかないですが、とにかく自民党市政だけは絶対にゴメンです。というか、自民・公明は絶対に許しません。これは、堅い信念ですな。

 西川市政が、さらに四年続くことになる。祝意を表しながら、少々注文を付けさせていただきます。

 西川市長は、「リーダーシップ」という言葉の意味を正しく理解していない気がします。北海道新聞十月十七日付のインタビュー記事で、記者の「課題の先送り、リーダーシップがないとの声もあります」との質問に、市長は次のように答えています。

 ――新市庁舎建設や公立大設置、優佳良織の継承など、私一人が「これで行こう」と話を進めても良い結果にならないと考えます。マチに長く関わる話は市民全体で考えるべきです。課題を先送りしてはいません。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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