――今朝の道新の市立大学の記事。あまりの驚きに、二度も三度も読み返してしまいました。いったい何がどうなってこうなったんでしょう。「デザイン」「ものづくり」の言葉がことごとく消されているではありませんか!
 伊藤さんから何か聞いてますか? 市民の会には相談や連絡があったのですか?

 今日は一日仕事でしたが、思い出すたびムカムカします。

 「旭川に公立『ものづくり大学』の開設を目指す市民の会」(市民の会)でともに活動した女性からメールである。

 十日付北海道新聞の旭川版は、「新学部 「地域創造」に改称」「開設延期 1学科2コース」の見出しで、旭川市立大学に開設される新学部の学部名が、これまで予定していた「地域創造デザイン学部」から、「地域創造学部」に改称され、開設時期も予定から一年延びて、二〇二六年四月に延期されると報じていた。

 「伊藤さん」とあるのは、市民の会の代表、伊藤友一さんのことである。その伊藤さんが、自身のフェイスブックで次のような声を上げている。少し長いが、全文を紹介しよう。

 ――旭川に公立大学を開設することを目標として二〇一〇年から十数年に渡り活動してきた「市民の会」としては、日本人が本能的に持っているものづくりの精神、創造的思考を備えた、即ちデザイン感覚を習得するための学部の設立を目指してきました。二〇一一年には四万三千筆の署名を旭川市に提出し、要望いたしました。
 そして新たな学部の内容の素案策定にも丁寧に時間をかけて、旭川市総合政策部主導で、旧大学側と私たち市民の会のデザイン関係者で議論を重ね、仮称ではありますが、「地域創造デザイン学部」という名称を策定し進めてきました。

 この度、大学側から示されたのは、この学部の名称から「デザイン」という四文字を削除するという案です。

「デザイン」という具体的なワードの持っている意味や、高校生や企業が受ける印象などを鑑みると「デザイン」というワードを削除する必要性や意味を理解することはできかねます。

 広義の「デザイン」には創造やイノベーションなどの意味が含まれます。また、「デザイン」には感性力や直感力を養い、地域振興のみならずあらゆる企業や産業または文化の発展に、大きな力と価値を生み出す大切な役割と力を持っています。

 経済経営学部とデザイン学部がタッグを組んだ場合、様々なイノベーションデザインが生まれ「デザイン経営」の柱であるブランディングとイノベーションという考え方に沿った、先進的な地域発のモデルを形成することができます。また、英語で表現する場合やグローバルに展開していく場合にも「design」という英語でも日本語でも通じるワードが必要ではないでしょうか。

 「デザイン」は万国共通語であり、子どもでも知っている言葉です。名称は大事な大切な役割を持っています。旭川在住のクリエイターを交え一緒に議論して、再考を提案いたします。(引用終わり)

 十三日に開かれた市議会総務常任委員会で、総合政策部公立大学課の担当者は、学部名の変更について、「創造という言葉には広く一般的に浸透している『デザイン』という概念が含まれ、クリエイティブな活動、過程という意味も込められている。だから、デザインという言葉を削除して、『地域創造学部』にした。学生募集の際に、学生に分かりやすく伝えるため」という意味の説明をした。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

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