今週は、思いっきり柔らかい話題でいきます。この手の話が嫌いな人は、パスしてください。よろしくです。

 「釧路会」と名付けたグループで、毎月、ご飯を食べて、お酒を飲んでいる。酒は各自持ち込んで、料理はお店の主人にお任せ、という我がままな会だ。主人は若い料理人だが、腕は一流。シメには寿司が出る。

 メンバーは七人。全員が北海道中小企業家同友会道北あさひかわ支部の会員だ。二〇一二年秋、その同友会の全道研修会が釧路で開かれ、前夜祭から参加した何人かが、釧路の「うまいもの」に感激したのが始まり。中に釧路出身の者がいて、その人の案内で、夜の釧路のまちを食べ歩いたのだった。で、今は閉店した変わり者の亭主がやっていた寿司屋を会場に、月に一度の「釧路会」が始まった。

 毎月顔を会わせているうちに、「本場に行こうよ」となる。前回は、コロナ禍が本番を迎える直前の二〇二〇年二月末、一泊で出かけた。今回が二回目だ。今月十五、十六日の一泊二日で、メンバーの一人が運転する車に七人が同乗して出かけた。コロナ禍明けの三連休ということで、ホテルの料金が高騰し、前回泊まったちょっと高級なビジネスホテルは三万円と高額になっていたので諦めた。駅裏にある地元資本のホテルは朝食付き一泊八千五百円だった。

 朝五時に旭川を出発、高速道路を使って、十時過ぎに釧路着。JRで厚岸に向かう。汽車に乗り込む前に、釧路生まれのイラストレーター、Rさんの勧めに従って、水産加工業協同組合の直売店で、イワシとサバの「ほっかぶり鮨」を買った。薄いダイコンを載せた握り寿司。汽車が動いてから外の風景を眺めながら食べようと話していたのに、レトロなジーゼルカーのテーブル付き座席に八人で座った途端に、食べ始めちゃって…。北海道物産展で本州のデパートを巡った経験を持つ農業法人のS社長が、「ほっかむり」の講釈を垂れて、汽車は一路厚岸へ。

 厚岸行きの目的はカキ。年寄りのS社長、工藤はタクシーで、残りの五人はこ線橋を渡って徒歩で、道の駅・コンキリエの「炙家」を目指した。ブランドカキの「マルえもん」や「カキえもん」を生のほか、炭火で焼いたり、蒸したりしていただく。ほかにも、ホタテやアサリ、ツブ、ホッキ、サンマ、カニ、野菜などを自分で炭火で焼いて食する方式だ。うに丼や海鮮丼などもある。昼間から、生ビールが進んだ。帰りの汽車の中では、全員爆睡でありました。

 その夜は雨。二〇一二年の道研以来、行き付けになっている居酒屋・タオへ。その前に、前回感激したニシンの酢漬けとピッツァをもう一度と、釧路名物・スパカツで知られる泉屋の地下、イタリア料理のポロネに寄る予定だったが、予約で満席ということで残念。五時から、タオに押しかけて、カウンターに並ぶおばんざいを二時間半かけて七人で食べ尽くしたのだった。雨の中、昼間立ち寄った酒蔵・福司の社長に紹介されたカウンター席だけの寿司屋を覗いてみたが、座れず断念。ネットで探した店に入った。年配の夫婦二人で営業する町の寿司屋は、まあまあだった。沈没気味の工藤と染物のK社のA社長は、そこで離脱。五人は、赤ちょうちん横町のガリガリ君専門店に向かった。釧路って、変な店があるんですね。

 その夜、事件があった。

(工藤 稔)

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