今号も、旭川市立大学の新学部について書く。興味のない方、すみません、飛ばしてください。
 前号では、八月二十三日に同大で開かれた、旭川市立大学(三上隆学長)が二〇二六年に開設を目指す新学部についての説明会についての記事を写真付きで掲載した。

 翌二十四日付北海道新聞は、「新学部名称 学長が説明」「社会求める人材に対応」の見出しで、市と大学に寄り添うニュアンスで報じた。

 はっきり言って、説明会を開いた主体が旭川大学なのか、設置者である旭川市なのか、まったく曖昧(あいまい)な「取材依頼」を開催二日前に報道機関に送り付けるという、ブラック企業みたいなやり方で、一般市民を排除する形で開かれた説明会だった。学部の名称変更や学科をなくすなど、私立から市立大学へのきっかけをつくった「ものづくり大学市民の会(市民の会)」と旭川市、市議会が合意し、市議会の「付帯決議」にまで明記された諸々の「決定事項」をチャラにする、大幅な内容変更に対する市民の会の猛反発を、“ガス抜き”でお茶を濁そうとする、ずる賢い意図が見え見えよ。

 以下は、説明会に参加した市民の会会員の女性(61)が二十五日にSNS・フェイスブックに投稿した記事。

 ――カリキュラムと名称をがらりと変えた理由を聞き、めまいがしました。

■三上学長「学部名にデザインの言葉を入れると学生や教育関係者に教育内容が理解してもらえない」

■西口副学長「ある大学ではデザインと名付けた学部に企業から募集が来なくなった。学生が色メガネで見られて就職に不利になる」

 旭川の地域特性を理解していれば出ない発言。渋谷先生(邦男・東海大学名誉教授=筆者注)の質問に対し、学長に内定した令和三年十一月からこれまでの間、旭川デザインセンターに行ったことも、家具メーカーを訪ねたこともないとおっしゃる、デザイン都市の市立大学のトップ。(中略)

 ――大学側が盛んに使っていたのが「国のトレンドだ」という表現。つまり流行の学部をつくろうとの考えで、旭川らしい、とかデザイン都市にふさわしい、とかは考えておられないようでした。四万三千人の市民の声は、今の段階ではかき消されています。(後略)

 もう一通、前号の小欄で、旭川大学の「建学の理念」、「地域に根ざし、地域を拓き、地域に開かれた学園」を皮肉たっぷりに紹介してくれた七十代の男性読者から次のようなメールが届き、記事を書いた記者とやり取りしている。

 

 

 【お知らせ】「編集長の直言」は、次号から不定期の掲載になります。工藤は八月三十日の株主総会で、代表取締役、編集長を退任しました。引き続き、「あさひかわ新聞」のご愛読を心からお願いします。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。