家人の高知の友人から、立派なナシと大粒のシャインマスカットが届いた。友人によると、ナシは収穫時期が少し遅れたせいで、中が傷んでいるものが混じっているかも知れないとのことだったが、なんのなんの、ちょっとシャキシャキ感が劣っている玉もあったが、瑞々しく、爽やかな甘さを楽しませてもらった。

 高知産としては珍しいシャインマスカットは、今夏の暑さで記録的な豊作だったことと、彼女の推測では香港に輸出される量が例の東京電力福島第一原発の「処理水」の影響で減ったため、ダブついて激安だから送ってみた、とのこと。

 道内ではホタテが処理水のあおりを食って漁業関係者が難儀をしているという報道があったが、四国・高知の農家にまで原発汚染水を処理した水の海への放出が影響を及ぼしているとはと、驚いてしまった。彼女によると、高知ではコンビニでもシャインマスカットが一房千円以下で“たたき売り”されているとのこと。電話の向こうで「あんまり安いから、今日も買ってきて食べたわ」と笑った。

 シャインマスカットの価格下落の要因は、今夏の猛暑もあるらしい。各産地とも猛暑の夏で生育が早まって出荷の時期が重なってしまった。そこに中国・韓国からの処理水放出に対する反発が追い打ちをかけた。昨年までは、一房千五百円以上もしていたシャインマスカットが、今年は千円以下、安売りの店では五百円台で売られているそうだ。

 そうそう猛暑の影響という話では、毎年、本州の親戚や友人にジャガイモを送っているのだが、先日、「今年も…」と注文しようとしたら、「猛暑のせいで、今年はジャガイモはないんです」と断られてしまった。よくよく聞けば、もともと作付面積を減らしたことと、そこに猛暑の高温障害が加わって、「注文に応えられない」となったようだ。

 

(工藤 稔)

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