十二月十六日付朝日の「朝日川柳」に載った一句、「新聞をせめて味方につけたがり」。同じ日の紙面に「宅配で全国に情報」「新聞の軽減税率 書籍・雑誌 先送り」の見出しで次の記事がある。リードを引用すると。

 ――2017年4月に導入される軽減税率の対象品目に新聞が含まれ、書籍・雑誌についての結論は先送りされることになった。自民、公明両党が判断の基準としたのは、「低所得者対策」と「生活必需品」という二つのキーワードだった。

 (以下本文より抜粋・引用)(自民、公明両党は)低所得者対策として有効かどうかを論点の一つに挙げ、「低所得者の日々の生活における生活必需品への負担軽減の観点から検討する必要」があると位置づけた。さらに「生活必需品と同等と言い得るものは、多くの人が生活の中で必要な情報を得るためにほぼ毎日読むものとして、社会的に認知されているもの」と説明した。

 新聞にかけるお金は、所得水準によって大きな差はないため、軽減税率を適用した場合、低所得層ほど家計支出に占める負担軽減割合が大きくなると分析。両党は宅配によって「日常生活における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれている」とし、軽減税率の対象に含めることにした。(引用終わり)

 私の読解力が不足しているのだろう、この記事は、何を伝えようとしているのか分かりかねる。そもそも「新聞にかけるお金は、所得水準によって大きな差はない」なんて、どこから、どんなデータを引っ張り出してこじつけたものか。自公両党の言い分をそのまま受け売りしてるだけじゃないか。

 その言い訳のようなものが、同じ紙面の下段にある。「考論」という囲み風の記事。京大の佐藤卓己教授(メディア論)が「新聞は思索のための食料」だとして軽減税率に賛成の立場から、そしてジャーナリストの津田大介さんが反対の立場からコメントしている。「活字メディア一律対象に」と見出しを打たれた津田さんの談話は次の通り。

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。