「こういうときに、天網恢恢疎にして漏らさず、と使って間違いないか?」と大声を出すと、先に新聞を読み終えていた家人が、ニコッと笑って「そうよ、間違いないわよ」と応えた。この手の話題でスカッとした気分になれたのは本当に久しぶりだ。

衆院憲法審査会が四日、与野党が推薦した憲法学者三人を招いて参考人質疑を行った。自民・公明・次世代推薦の学者を含めて三人全員が「集団的自衛権の行使は違憲」と明言した、というニュース。

道新にしてはおとなしい、二面に四段見出しの記事。写真付き。毎日は一面トップと五面に関連記事。朝日は、一面肩四段見出しと、政治面に「戦争参加するなら『戦争法』」「集団的自衛権『範囲不明確』」「『安保法制審議に影響』自民幹部」と、横見出しと三段の見出しで大きく報じた。近頃とみに「安倍政権の広報紙」的論調が目立つ読売は、政治面に二段の見出しで、あっさりと、次のように書く。

――(前略)自民、公明両党などが推薦した長谷部恭男・早大教授は、集団的自衛権の限定行使を可能にする安全保障関連法案について、「憲法違反。従来の政府見解の基本的論理で説明がつかないし、法的安定性を大きく揺るがす」と指摘した。民主党の中川正春氏が見解を聞いたのに対して答えた。

与党推薦の参考人が安保関連法案を「憲法違反」と指摘したことについて、自民党では波紋が広がった。佐藤勉国会対策委員長は審査会終了後、同党の船田元・審査会筆頭幹事に会い、「参考人の人選には十分配慮してほしい」と語った。(中略)

(工藤 稔)

(全文は本紙または電子版でご覧ください。)

●お申込みはこちらから購読お申込み

●電子版の購読は新聞オンライン.COM

ご意見・ご感想お待ちしております。