少し前に届いた友人からのメールの一節。安倍晋三・自画自賛、手前味噌政権の頃から、世相を憂えていた方たちの気持ちは同じなんだと思えて苦笑いしたのですが、笑っている場合じゃなさそうです。以下。

 ――岸田はアベ、スガより少しはましかなと思っていたのですが、それ以下ですね。大方のメディアも政権を批判しつつ「防衛力整備は理解できる」という前提で報道しています。まず必要なのは政府が言う「他国の脅威」が本当にあるのか、の検証なのに。わりとまともだったのが、十七日の道新に載っていた森貴子デスクの論文です。「戦争は突然始まるのではなく、どこかに必ず分岐点がある。それは今かもしれない」。そうだと思います。(後略・引用終わり)

 この総理大臣、支持率の低下などはハナから折り込み済みで、安倍・菅政権が手を出せなかった懸案を片付けるのが自らの役割だと覚悟して首相の座に座ったのでないか。任命した大臣や政務官が次々に醜聞で辞任に追い込まれるのも、計算に入っていたのかも。報道がそちらに引きずられ、世の関心が逸れている間に、敵基地攻撃能力の保有や原発の再稼働・新設を一気呵成に既成事実化してしまう。

 その一方で、バランスを取るように突然、「異次元の子育て支援」などと言い出す。東京都知事のオバサンもそうだけれど、一カ月に五千円程度のお小遣いをもらって、「よし、子どもをつくろう」と考える親がどこにいるものか。従業員が数百人いて、一人や二人が欠勤しても業務に支障を来たさない、あるいは半年や一年仕事を休んでも、その後のキャリアに影響をもたらさない企業・職種で働く人は沢山いるのだろう。だが、社員十人そこそこの零細企業にあって、育児休暇を申し出た社員に「喜んで」「どうぞどうぞ」と対応できる経営者が哀しいかなどれほどいるだろう。

 二世帯住宅の隣で二歳の娘を育てる息子夫婦の暮らしを見るにつけ、共稼ぎで子どもを持つのは大変だなと感じる。その一方で、共稼ぎの親を持つ子どもも大変だなと思う今日この頃。保育所は日曜・祝日はお休み。両親が出勤しなければならないときは、ジジ・ババの出番になる。ジジ・ババが近くにいない子どもの家庭は、どうやってしのぐのか。社会の仕組みが子どもをつくる、育てる仕様になっていないのだ。

 ニッカンスポーツの社会面のコラム『政界地獄耳』を引用しよう。見出しは「安倍『スターリン ポルポト』批判から10年」。以下。

(工藤 稔)

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